現場のお仕事〈アニメ音響制作〉

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★企画・立案

テレビ局やメーカー(玩具、文具、菓子等)などの出資会社、広告代理店、そしてアニメーションの製作会社や監督などから企画が立案される。企画を実現するために、1社方式にするのか製作委員会方式にするのかなどを検討。全体の方向性、制作予算なども決定される。

★予算・スタッフ及びスケジュール決定

アニメ製作会社は企画書にのっとり、メインスタッフ(監督、脚本、作画監督、音楽作曲者等)を決定し、製作予算を算出する。また、制作・進行管理、背景、撮影などのアニメーションの映像スタッフ、音響制作会社を決定。制作スケジュールも決まる。

祝!制作受注!!

受注★受注

音響制作会社はアニメーションの制作会社から音響の制作を受注。出資会社から直接指名されることもある。音響制作会社は音響監督を選定。

★音響制作会議

出資会社やアニメ製作会社のプロデューサー、監督、音響監督、音響制作担当者などで会議。作品のイメージや方向性、予算に基づき、声優、作曲家、音響効果などのスタッフの選定を協議する。
いよいよ制作担当者としてドウガさんの出番!予算やスケジュールの管理が重要な仕事となる。

キャスティング★キャスティング

アニメーションのキャラクターのイメージに合わせて、キャストの選考をする。
テレビ局やメーカー、広告主、広告代理店からの要望でキャストが決まる場合もある。
イメージに合うキャストを選ぶために、オーディションを行うこともある。オーディションを行う場合はドウガさんが中心となり、音響制作会社がオーディションの手配をする。候補者の選出は大事な仕事。
メインキャラクターについてはオーディションで入手した声やプロフィールなどに基づき、プロデューサー、監督、音響監督などで協議、キャストを選考。それ以外のキャラクターについては、音響監督に一任されることも多い。ドウガさんは予算やスケジュールを踏まえて選考に加わる。

スケジュール管理及びスタジオ、効果選定
★スケジュール管理及びスタジオ、効果選定

各キャラクターに対するキャストを選定したら、ドウガさんは正式な出演交渉。また音響監督と相談のうえ、アフレコ、ダビングに使用するスタジオやミキサー、音響効果を決定。
テレビシリーズの場合は定期的に収録できるように、出演声優のスケジュールの調整を行い、収録スタジオを決定。
オリジナルビデオアニメの場合は映像の仕上がり状況に合わせて、声優ほか使用するスタジオ、音響効果のスケジュールを調整する。

★音楽打ち合せ

音響監督と監督もしくはプロデューサーが、音楽について以下の事柄を話し合い作曲家に発注。もちろんドウガさんも立ち会い、スケジュール管理などをする。

BGMやオープニング、エンディングのイメージや曲想、楽器編成について
  • スポッティングの要・不要について。
  • オープニング、エンディングについては出資会社とのタイアップで決定することも多い。
作曲家への具体的な発注について
  • テレビシリーズなどの連続ものの場合、シリーズ全体で必要となる音楽要素を検討し、全話数分もしくは1~2クール分の音楽メニューを作り発注する。ひとつひとつの曲について細部まで打ち合わせることも。
  • 単発のオリジナルビデオアニメーションの場合、台本、絵コンテなどを基に、作品中のシーンに合わせてどの部分に音楽が必要か音楽ラインを引いて発注する。
★アフレコ台本発注

ドウガさんは、アフレコ台本用修正絵コンテとキャスト表などを台本印刷所に渡し、アフレコ用台本を発注。台本印刷所は絵コンテからセリフを起こし、台本として印刷、製本。

アフレコ台本発注

★アフレコ

録音スタジオで、音響監督の指導のもと声優が映像に合わせて演技し、その音声をミキサーが録音する。音響監督は声優に対し、セリフのしゃべり方や感情表現、スピード感などの演出をする。この段階では他の音響要素が一切ないので、音響監督は発注した音楽や効果音を考えながら演出。時には映像が白味や線画の場合もあり、音響監督の役割がいっそう重要になる。ドウガさんは、セリフの録りこぼしがないか、ガヤの必要なシーンはどこか、などをチェックしながら現場に立ち会う。
現場にはその他に監督、出資会社、制作会社の人が立ち会う。場合によっては脚本家や原作者が立ち会うことも。音響監督は、映像の責任者である監督の意向を踏まえてセリフの演出をすることも大切。
アフレコに対してプレスコという方式で声を収録することもある。

アフレコアフレコ

★音楽チェック

音響監督または選曲担当者が映像とセリフに合わせて、すでに制作してあるBGMの中から使用する曲・場所を選んでいく。必要なイメージの曲が無い場合は追加発注することも。
単発のオリジナルビデオアニメーションでは、シーンに合わせて曲を作っているが、実際の映像とイメージが合わないこともある。音響監督と作曲家のイメージに解釈の違いがあったり、映像の方が最初の予定と変わってしまっていたりすることがあるので、映像と音楽を再度ここでチェック。もちろんドウガさんも同席。

★SE打ち合わせ

映像やセリフ、音楽を考慮しながら、効果音(SE)について音響効果と打ち合せ。この打ち合せは音響監督と音響効果、及びドウガさんで行うことが多いが、監督が同席することも。

★仕込み

セリフ、効果音、音楽のそれぞれを、最終的に画に合わせられるよう準備する。

セリフ

アフレコ(プレスコ)時に収録したセリフを、最終的にスタジオスタッフが映像に合わせ置いていく。必要に応じてその作業をおえたセリフに反響音(エコー)や残響音(ディレイ)などの加工を施したりもする。

効果音

音響効果が効果音を準備し、映像に合わせて置いていく。音響効果は、常にCDなどで効果音をストックしているが、場合によっては新たに創ることも。

音楽

必要と思われるシーンと曲を音響監督が決め、スタジオスタッフが映像を見て、シーンの長さに合わせてBGMを編集。

★ダビング

映像に合わせて、セリフと音楽・効果音をミックスする。それぞれの音のバランスをとりながら、スタジオスタッフが納品用の素材に音の完成パッケージを作成する。
監督・音響監督はもちろんドウガさんも立ち会い、バランスの具合やセリフの聞きやすさ、また音の加工状況などをチェック。

ダビング

★納品

ドウガさんは、できあがった音の完成パッケージを、受注先もしくは指定先に納品。

※会社によって、制作工程には多少の違いがあります。

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